とみおかワイナリー百年後の富岡町に引き継ぐ、新たな財産

地域に新たな産業を興し、コミュニティの場、就労機会、観光資源など多角的なニーズに応える存在を創出。移住促進の旗印としても期待が高まっています。

現在はシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、メルロを主品種に醸造

とみおかワイナリー

ワイナリーを中心にした新コミュニティづくりをめざして

レストラン&醸造所のすぐそばを走る特急ひたち。手を振り合う光景もしばしば

2016年4月。無人となった富岡町で、遠藤秀文さんは避難している町民に声をかけ集まった町民有志10名でワイン造りをスタートしました。東日本大震災によって、全町避難を余儀なくされたふるさと。ワイナリーが地域の復興・再生に必要なコミュニティづくりの一助になれば、との思いで植えたブドウの木は、震災以前の富岡町民の数と同じ1万6000本。1万6000人の、いやそれ以上の大切な人たちがいつかここに集えるように、と願いを込めたのです。あれから9年。2025年5月17日に『とみおかワイナリー』はグランドオープンを迎えました。津波によってたった一棟残った遠藤家の蔵を「希望の蔵」として復興のシンボルに、隣接して醸造所とレストランを建設。2階のレストランからは6.5ヘクタールのブドウ畑を見渡せます。
「本格的なブドウ畑をつくるにあたり、2019年の東日本台風(台風19号)によって氾濫した夏井川の川底の砂土を使いました。私たちの圃場整備が台風からの復興作業で実現できたことは、不思議な巡りあわせだと思います。海沿いのこの場所は、潮風が吹き、湿度が溜まらないのが特色。寒暖差が少ないことも鑑みて、環境に適した品種を栽培しています。初めての収穫と醸造を行ったのはセイベル。現在では、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、メルロ、アルバリーニョを主軸に、リースリング、カベルネ・ソーヴィニヨン、プチ・ヴェルド、テンプラリーニョ、ピノ・ノワールなどにも実験品種として取り組んでいます」

6.5ヘクタールの畑にブドウを植樹。夏井川の川底の砂土を移敷し、ブドウに適した土づくり
「希望の蔵」ではワイナリーのこれまでの軌跡をVTRで見ながら試飲が楽しめる

訪れるゲストも、ともに成長を楽しむワイン

日替わりでワインが登場するレストランでの「本日の3種飲み比べセット」(1250円)

レストランでは、「常磐もの」の魚介類とともに『とみおかワイナリー』のワインが楽しめます。
「この場所で生まれたワインを、この場所ならではの料理と味わうことがレストランのコンセプト。そして、このワインと富岡町の物語をたくさんの人に知ってもらうべく、私たちも語っていこうと思っています。“今、ここで表現できる最高のワインを” というプライドを持ってワインを提供していますが、もちろん味はまだまだ若いし、研究の余地はいくらでもあります。しかし、生まれたばかりのワイン、その成長の過程や変化を一緒に見守り、楽しむこと自体が、このワイナリーの大きな魅力だと思っています。ブドウの木は数十年、いや百年後にも引き継いでいける新たな財産。私たちは、百年後の富岡町を楽しみに、ワインづくりに取り組んでいるんです」
真っ暗だった富岡川河口の浜辺に、明るくあたたかな灯がともっている。常磐線の車窓から手を振ると、笑顔の人たちがワインを掲げて手を振り返す。富岡町の「これから」の物語は、この美しいワイナリーとともに紡がれていくのでしょう。

津波被害からの河川改修によって切られた欅の木をカウンターに再生。残った欅と川の風景を窓から望む
レストランの1階ではワインやワインに合うおつまみなどを販売。このショップから直接「希望の蔵」に行くことも

とみおかワイナリー
小田雅己さん

仙台で飲食店に勤務しつつ、「東北の復興のために何か力になりたい」と考えていた小田さん。移住体験ツアーへの参加をきっかけにとみおかワイナリーと出会い、移住と転職を決意。現在はワイナリーレストランのサブリーダーとして活躍中。

とみおかワイナリー<ワイン&ギフト「テルース」>

  • 住所福島県双葉郡富岡町小浜反町36番地1
  • 電話0240-23-7606
  • アクセスJR富岡駅から徒歩で約10分、常磐自動車道 富岡ICから車で約15分
  • 営業時間10:30〜17:00
    火曜定休

とみおかワイナリー<レストラン「ラレス」>

  • 住所福島県双葉郡富岡町小浜反町36番地1
  • 電話0240-23-5585
  • アクセスJR富岡駅から徒歩で約10分、常磐自動車道 富岡ICから車で約15分
  • 営業時間平日ランチ11:00〜14:00(LO13:30)
    土日祝ランチ11:00〜15:00(LO14:30)
    ディナー17:00〜21:00(LO20:00)※要予約
    火曜定休

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