アットホームで落ち着いた雰囲気の双葉屋旅館

宿の女将小林友子さんは、震災後に旅館を再建しました。さらに地元の復興を支えるべく、複数の取り組みを行ってきました。多くの人が慕い、集う双葉屋旅館には明るいパワーが満ち溢れています。

@双葉屋旅館
南相馬市小高区東町1-40

震災後の地域社会の復興や歩みを女将との対話を通じて考えることができます。

双葉屋旅館

旅館の再建とともに地域の復興に貢献

双葉屋旅館2階には部屋が並び、旅館内はかなり広い作りになっている。

常磐線の小高駅からすぐのところにある双葉屋旅館は、元々、地元の店に品物を売り歩くために鉄道で訪れた、行商の方などが泊まる宿として創業した旅館です。

4代目女将の小林友子さんが宿を引き継いで6年目に、津波によって1階部分が冠水。息子のいる名古屋に避難しましたが、いい働き口がなく、最終的に元の仕事に就くことを決め、2012年に南相馬市に戻り、仮設住宅に住みながら旅館の改修を始め、今に至ります。

小林さんは、自らの旅館だけではなく、商店や学校など、小高区の地域全体の活性化を手助けしたいと考えています。町を明るくしようと小高駅前に花も植え始めました。

「当時、私は無職でしたが、一日中仮設住宅で過ごすのが嫌で…。花を植えることで気持ちが落ち着き、癒されましたね。自分自身の社会復帰のための活動だったのかもしれません。」

先頭に立って地域の復興に貢献

小林さんは地域おこしの取り組みの先頭に立ってきました。宿の隣にオープンさせたアンテナショップ「希来」は、仮設住宅に住む人々による手作りの工芸品を販売し、地元の人たちもゆっくり過ごせる癒しの場でした。現在は花とお茶の店「KIRA」として営業しています。その他にも、映画上映会やコンサート、災害を経験した地元の人たちへのインタビュー動画を記録した口述歴史プロジェクトを立ち上げるなど、文化的な側面にも力を入れています。

双葉屋旅館
女将 小林 友子

両親が病に罹って旅館の経営を引き継いだのが2005年でした。その年はサッカーワールドカップのドイツ大会の前の年で、私はドイツに観戦に行くために貯金をしていたのでよく覚えているんです。私に旅館経営の経験はありませんでしたが、結婚するまでここで手伝いをしていたこともあり、営業のやり方は大体察しがついていました。営業再開までは大変でしたが『また会おう 小高の双葉屋で』という言葉が嬉しくて今も続けられています。

双葉屋旅館

  • 住所南相馬市小高区東町1-40
  • アクセスJR常磐線小高駅より徒歩1分

コミュニティの力と復興を感じるふくしま旅

モデルコースmodel course

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