- コミュニティの力と復興を感じるふくしま旅
- FUTABA Art District 人の心に火を灯す。そんなアートの原点を証明
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無人のまちを鮮やかに彩る壁画アート。ロマンティックなモチーフに希望をにじませた作品や、実在する町民の顔にまちの成長や未来を表現した作品、連綿と続いてゆく相馬野馬追の伝統を描いた作品。訪れた人が何を感じ、次にどんな行動を起こすか。アートの持つ力が、復興を後押ししています。
直接的な支援や企業とは異なる角度で、復興を後押しする力を知ることができます。
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FUTABA Art District
双葉町の中心街に展開した9つの壁画アート
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人のいないまち。ただ風だけが木々や草を揺らし、吹き抜けるまち。東日本大震災に伴う原発事故によって、無人のまちと化した双葉町に、鮮やかな色彩と躍動するタッチが出現し始めたのは、2020年の夏でした。赤澤岳人さん率いるミューラル(壁画)アートカンパニー「OVER ALLs」が手掛けるプロジェクト「FUTABA Art District」が掲げるのは、「アートは人の心に火を灯してくれるもの」という信念。
アートに対するピュアな思いが住民たちにも届く
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彼らが最初に描いたのは、「ロミオとジュリエット」をモチーフにした作品。JR双葉駅前の、かつては外構だった石塀がキャンバスでした。バルコニーから手を延ばすジュリエットのその手すりは、新型コロナウイルスの感染者数グラフになっています。感染者数があともう少し下がれば、ロミオに手が届く。世界を襲った病の終息を願う真摯な思いが、ロマンティックな描写で表現されていました。2020年8月9日に描かれたこの作品は、新たな建築計画の始動によりいまはもう見ることができません。こうした前向きな変化により役割を終えてゆくこともまた、「FUTABA Art District」の目指す未来の、ひとつの在りかたなのでしょう。最初の頃はパトロール中の警察官に職務質問されたこともあったといいます。しかし、真摯に作品づくりに取り組むうち、ひとり、またひとりと声を掛けてくれる元住民やキャンバスとなる壁を提供してくれる方が増えてゆき、2022年3月には11壁8作品にまで広がりました。
新たな誇りを胸に、第二章が始動。
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2022年3月、25人の町民の方々の笑顔を描いたVol.8「HUMAN POWER!!!」で第一章のフィナーレを迎えたプロジェクトでしたが、2023年11月、第二章が始動。第9弾となるミューラルは、「双葉と言えばダルマ!ダルマといえば七転び八起き!」ということで、「NANAKOROBI-YEAH-WOW-KEY!」です。
彼らは、第二章の始動についてこう発信します。「縁もゆかりもない自分が“双葉町のために”“復興のために”と言うことは嘘になる。あくまでもアーティストとしてのエゴでやっている、と言い続けてきました。しかし、双葉町に多くの友人が出来て。隣町の浪江にも他人とは思えない友人がいて。“もう縁もゆかりもあるじゃないか”と。だから今は、“FUTABA Art Districtは双葉や浪江の友人たちのためにやった” と胸を張って言いたい。彼らの地元や愛する気持ちのWOW!を壁画にして掲げたいと。そしてそれを作り上げたWOW!のパワーを見てくれと」
<引用元> http://www.overalls.jp/cn23/cn30/futaba-art-district.html