- コミュニティの力と復興を感じるふくしま旅
- みんなの交流館 ならはCANvas 人と人との繋がりが、楢葉町の根幹
これからの楢葉に必要なものは、何か。そんな問いかけを町民みんなが考え、語らい、出した答え。それが「みんなの交流館 ならはCANvas」です。赤ちゃんからお年寄りまで、町民や町を訪れた人みんながフラットに憩うことのできる場所。町というホームのリビングとして、誰もが集うことのできる場所。
町をかたちづくる“人”の繋がりを生み出す施設の在りかたを考えることができます。
みんなの交流館 ならはCANvas
町の中心にある、開かれたリビング
原発事故によりほぼ全域避難区域となった7町村の中でも、いちばん初めに国による避難指示が解除された楢葉町。2015年9月のことでした。対象となった住民の数もこれまでで最大の規模で、これによって楢葉町のまちづくりは急ピッチで進んでいくこととなります。復興拠点となったのは、北田字中満。スーパーマーケットを中心とした商業施設や医療施設、郵便局と災害公営住宅を集約したコンパクトタウン「笑みふるタウンならは」の造成の一環として交流施設の整備が決まったとき、町民のみなさんは「お茶のみワークショップ」と題して集まり、20代から80代の方々が熱い意見を交わしました。そうして生まれた「みんなの交流館 ならはCANvas」は、まちの中心からまち全体に向かって開かれたオープンリビングとでもいうべき集いの場。その名も「みんなのリビング」は用途に合わせてさまざまにレイアウトが変えられるホールで、キッズスペースに隣接する和室からはお年寄りが子供たちの遊びを見守ります。吹き抜けの2階には、パソコンやiPadの充電も可能なワークスペース。震災で被災した家屋から移築した柱なども使用されており、震災の記憶を忘れないでおこう、アーカイブしておこう、という町の人たちの意思を感じます。
多世代が多目的に交流できる場所
「イメージしたのは、屋内にある公園。ここは、多目的交流の場であり、多世代交流の場でもあります。子供たちが待ち合わせに使ったり、お年寄りたちのお茶のみ場になったり。ちょっとお買い物に行きたいおかあさんにおばあちゃんが“いいよいいよ、子供見ててあげるから”なんて交流があったり。まちは、人と人との繋がりがあって初めてまちになる。震災、そして全町避難によって途切れてしまったその繋がりをもう一度結ぶのがこの場所なんです。震災前にはあたりまえだったものが、戻ってきた場所。だから、ここができたことはゴールではなく、スタートなんです(平山将士さん)」
一般社団法人 ならはみらい
移住促進係 係長
平山将士さん
地域新聞社の「いわき民報」の社会部記者として報道の現場に携わる。東日本大震災時は、震災の記憶を残す報道写真集の企画・制作を担当。「ゼロからもう一度、復興に関わりたい」という思いから、2018年4月に一般社団法人ならはみらいに入社。「楢葉町をロールモデルに復興へと取り組むまちもある中で、楢葉町は第二のフェーズに入っていると思います。住民の高齢化、古い住宅の活用法、交通網の縮小などにどう取り組んでいくか、5年後、10年後に向けて何をつくり、何を残していくのか。そうした意味でも、楢葉町は復興のその先を考える先進地なのかもしれません」
みんなの交流館 ならはCANvas
- 住所福島県双葉郡楢葉町大字北田字中満260番地
- 電話0240-25-5670
- アクセスJR竜田駅から徒歩で約15分
常磐自動車道 広野ICから車で約10分、楢葉スマートIC(ETC専用)から車で約6分 - 営業時間9:00〜21:00
休館日:毎月第2・第4火曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)
※施設メンテナンスで臨時休館する場合もあります。