とみおかアーカイブ・ミュージアムまちの歴史と複合災害を知る

全町避難後に“レスキュー”された多くのものが展示されている

2021年7月に設立された、東日本大震災と原子力災害で全町避難となった富岡町民の思いが凝縮されたミュージアムです。半分が富岡町の歴史、残り半分が東日本大震災関連という展示からは、災害を経た町の大きな変化を知ることができます。

@とみおかアーカイブ・ミュージアム
双葉郡富岡町大字本岡字王塚760-1

町の歴史と震災の影響をともに知る。

とみおかアーカイブ・ミュージアム

立体的な展示による富岡町の“絵巻”

収蔵庫、整理作業室などは収蔵展示エリアの見学コースから見られる

東日本大震災と原子力災害で長期にわたる全町避難となった富岡町。その富岡町の成り立ち、そして震災によって町がどのように変わったか──そこにテーマを定めた博物館です。照明が落とされた空間に常設展示されている、旧石器時代までさかのぼる富岡の生活史、自然史、産業史、さらには原発の誘致、震災遺産に見る災害の実態と全町避難に至る流れは、未曾有の災害を経験した町の長大な絵巻を見るようです。

シアターで上映される、震災をテーマとした3本の映像はその導入にあたります。富岡の暮らしや町の様子がわかるジオラマ模型や、災害で失われた駅の部分移設、避難誘導中に津波に遭った被災パトカーも展示されています。また、震災当日の災害対策本部の再現や、被災状況と避難の経緯を地形モデルに投影するプロジェクションマッピング、証言映像など、多様な展示が続き、ミュージアム設立に関わった人たちの「伝えたい」という熱い思いが感じられます。

町民の暮らしを集めた巨大な収蔵庫

「展示資料の多くが、町民からの寄託・寄贈です。災害の影響で、仕方なく家や蔵を解体する際などに、“レスキュー”されたもので構成されています。それらの資料を収める大きな収蔵庫を作ろうというところから当館は始まったんです」と館長の佐藤邦春さん。収蔵点数は約5万点(展示は約430点)。それらの収蔵品すべてが富岡町の歴史であり、まさにアーカイブなのです。収蔵・研究エリアでの学芸員らの仕事をガラス越しに見学でき、昆虫の標本作りなどは子どもたちにも人気。土曜日・日曜日の定期解説に加え、予約をすれば学芸員による解説が受けられます。

とみおかアーカイブ・ミュージアム
館長 佐藤邦春

帰還困難区域を除くエリアの避難指示が解除されたのが2017年4月ですが、今現在人口は震災前の2割に満たない。津波の被害は沿岸部で多かったのですが、やはり富岡町の場合は原子力災害がより深刻で、それがなければ他の地域と同じように早く復興でき、こんなに住民が減るということはなかったのかなと思います。館ではそうした困難な経験をした方々の証言映像を一人20分で17人分紹介しています。できるだけそうした生の声を聞いていただきたいなと思います。

とみおかアーカイブ・ミュージアム

  • 住所双葉郡富岡町大字本岡字王塚760-1
  • 電話0240-25-8644
  • アクセス車でお越しの場合:
    常磐自動車道 常磐富岡インターチェンジから車で10分
    詳しくは:
    公式サイトのアクセスページへ
    https://www.manamori.jp/museum/040/20221024201557.html
  • 営業時間開館:
    9:00〜17:00(最終入館16:30)
    休館日:
    毎週月曜(月曜が祝日の場合は火曜)・年末年始
  • 入館料無料

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