浜通りに福来る。新ブランド「福とら」が食の楽しみを拓く

高級魚の代名詞でもある天然トラフグ。その産地といえば玄界灘や日向灘、瀬戸内海が有名ですが、近年、そうした名産地にもひけをとらない品質のものが相馬沖で獲れています。福島のトラフグだから、「福とら」。おいしさが福を呼び、浜通りに活気をもたらしています。

@ホテル飛天
福島県相馬市中迫104-3

震災後の漁業と観光業に、復興を超えた新興の力となるアイデアを学びます

いわきの「常磐もの」の中でも特に希少な天然トラフグを「福とら」としてブランド化

福島産天然トラフグ「福とら」

試験操業から本格操業へ移行した相馬沖の新名物

水揚げされた「福とら」は活締め、血抜き、毒の処理などの職人技を経て料理される

黒潮と親潮が渦巻く相馬の沖合は、全国でも有数の好漁場として知られてきました。カレイやヒラメをはじめ、イワシやサンマ、カツオといった回遊魚。実に多種多彩な海幸は「常磐もの」として高く評価され、浜通り地域の大きな魅力となっています。その水揚げカレンダーに変化が起き始めたのは、今から6、7年ほど前のこと。海流や温度の変化によるものか、天然のトラフグが網にかかるようになってきたのです。
 「2019年の冬には、本格的に天然トラフグに狙いを定めた延縄漁を始めました。江戸から続く延縄漁は、いちどに獲れる量は少ないけれど、魚体を傷つけず活きのいい状態で水揚げすることができる漁法。フグの中でも王様である天然トラフグを、最高の状態で味わってほしい。そうした思いが漁師さんから仲買いさん、そして料理人へとバトンのように受け継がれて、活締めや血抜きの技術も年を追うごとに上がってきていますし、フグ調理師免許の取得者も増えています。めざすは“西の下関、東の相馬”です(管野貴拓さん)」
この日、管野貴拓さんが用意してくれた天然トラフグは、まさに「福とら」の名を体現する2.5㎏級の大物。

水揚げ地ならではの鮮度と多彩な料理

「ホテル飛天」では「福とら・真フグコース」、「福とらフルコース」のプランが楽しめる

「福とらは、延縄漁で獲った体長35㎝以上の天然トラフグであることが条件。魚体が大きくても大味にならず、豊かな弾力と繊細な旨みが魅力です。王道の味わいかたである“てっさ”や“てっちり”、唐揚げはもちろん、白子焼きや炊き込みごはんなどさまざまな調理法で楽しんでいただけるのが、水揚げ地ならではですね(管野貴拓さん)」
ヒレや皮もおいしく料理し、骨からとったダシも余さず活用。ふるさとの新名物を大切に育てていこうという気概もまた、相馬の人々の魅力です。「福とら」の旬は10月から2月にかけて。最近では豊洲はもちろん下関からも買い付けが入るという折り紙付きのおいしさを、ぜひ本場で楽しんでください。

ホテル飛天
代表取締役 管野貴拓さん

「ホテル飛天」代表取締役、「浜の駅 松川浦」の食堂「浜の台所くぁせっと」代表を務めるかたわら、「松川浦ガイドの会」でも活躍する管野さん。2021年9月に発足した「福とら」ブランド化にプロモーションから参画、地元の機運高揚と他地域への広報に尽力。
「旅館やホテルの夕膳はもちろん、割烹料理店や居酒屋などでも「福とら」が味わえる店が増えています。「浜の駅 松川浦」では、ご家庭で味わえるてっさやてっちりのセットもありますよ」

ホテル飛天

  • 住所福島県相馬市中迫104-3
  • 電話0244-38-7000
  • アクセス福島交通路線バス「細田」バス停から徒歩で約17分
    JR相馬駅から車で約10分

海の恵みと復興を知るふくしま旅

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